みな死ぬる人とおもえば
2025.07.01
みな死ぬる
人とおもえば
なつかしき
木村無相師『念仏詩抄』55頁
木村無相師は、一時期本山同朋会館の門衛を務めていた方ですが、当時は上山した門徒は、日程の合間に無相師を訪ねて教えを乞うていたそうです。
この詩の題名は「なつかしき」です。「なつかしき」の根は、分別以前の大地にありましょう。私に根拠しない「無根」こそ、真実です。
宗教・思想・人種・経済格差など、すべての違いを包み、世界の分断を超える一点を確かに示しています。木村無相師の詩ですが、師が製作した詩というよりも、師に回向された真実言と仰ぎます。その証拠に全人類に響く力が静かにみなぎっています。南無阿弥陀仏