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幾鉢の花に遅速や福寿草(句仏上人)

2023.01.01

「句仏(くぶつ)」との俳号から、句仏上人と呼ばれた東本願寺23代法主、大谷光演。正岡子規、高浜虚子らに師事し、生涯に数多くの俳句を詠まれた。暁烏敏師も若き頃から俳句に親しんでいたので、虚子らを通じて句仏上人との交流が生まれた。

花開く時は、それぞれの時機が熟す時。速く咲く花もあれば、遅く咲く花もある。仏法に出遇う時節もそれぞれである。「遅速(ちそく)」はあるが、それは決して優劣ではない。
親鸞聖人が「若不生者のちかいゆえ信楽まことにときいたり」(聖典481頁)と詠われているとおり、時が至るのである。そして、花開かせるはたらきは「一切衆生の最後の一人が花開くまで、私は仏に成らない」との法蔵菩薩の誓いに由るのである。

俳句で仏徳を讃嘆された上人に、ある時、福寿草の説法が聞こえたのだろう。

本年も共に聞思を。南無阿弥陀仏

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