『背中―工房独語』②
2022.01.25
新書版343頁。非売品。10冊(@1400円)取り寄せました。近日中に届きます。注文・取り置きは拙寺まで。 アクセス・お問合せ | 真宗大谷派 法性山 了善寺 (ryouzenji.or.jp)
著者:助田茂蔵(すけたしげぞう・福井県鯖江・印刷:大阪謄写館)
髙光大船・木村無相・竹部勝之進・小林勝次郎・坂木恵定等々、助田氏が出遇った方々の言葉・写真・感得したことが詰まっています。たい焼きで言えば、尾っぽの先まで餡がぎっしりと詰まっています。
子息篤郎氏の寄稿文「皺と背中―老いの宝」には、実父茂蔵氏が小林勝次郎氏の追悼集に寄稿した一文が引用されていました。
「宗教人の中には、家庭生活を捨てひとり山の中へ入って修行した人は、いくらでもいます。しかし、現代の経済社会の巷に在って、つまり娑婆のどまん中にあって、宗教も佛法もいらなくなって、無一物の生活を楽しんだ人を私は未だ見たことがありません」。(同書329頁)
小林勝次郎氏は東京小菅に暮らし、生涯定職を持たなかった方です。髙光大船師に出遇い、後に「宗教も仏法もいらなくなっ」た自在人。自らにつけた法名は「みんなのもの」だったと聞いています。関西大学の社会学者が論文を書いていますので、紹介します。
関西大学学術リポジトリ (nii.ac.jp)
新宿専福寺前住職二階堂行邦師は、生前小林氏のことを話しておられました。ふらりと寺にやってきて、「おい、坊主はなぁ、仏だけを相手にするんだぞ」と言い放ったとの逸話を酒席で幾度か耳にした記憶があります。南無阿弥陀仏