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コラム・法語
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「仏法さま」

2021.03.03

石川県白山市 本誓寺様(故松本梶丸師のご自坊)衆徒だった浅田正作師(私にとってはやはり「浅田さん」)は、法蔵館から詩集を刊行されています。「私は偏依梶丸一師ですから」(ひとえに松本梶丸師を師として仰ぐとの表白)と仰っていた浅田さんは大正8年生まれ、農業をしながら工場に勤めた後に、昭和60年専修学院に入学し本誓寺衆徒となられました。
毎夏の本誓寺様の虫干し法会の折、本堂でのお朝事後に納骨堂で一人で粛々と重誓偈を上げ、さらりと静かに、時間にすればわずか5分ほどの法話をされます。参詣は私一人という朝もあり、今から思えば贅沢な時間でした。

法蔵館から刊行された『骨道を行く』(序文・宮城師)『続 骨道を行く』(序文・蓑輪師)は、広く世に出た念仏詩集です。

読み返して目にとまった詩「仏法さま」。(『続骨道を行く』105㌻)
見事なほどに簡潔で、見事なほどに仏教2500年の歴史を貫いています。


  泣いても
  わめいても
  引っくり返らぬ現実こそ
  仏法さま


我慢を強いる意味でも、断念を促す趣旨でもなく、泣きわめく私を今すでに支えている厳粛な現実、大地からのよび声と私は聞きます。どうか地に足を着けてほしいと。そして進むのか、退くのか、賛成するのか、反対するのか・・と態度決定を促す声です。


浅田さんと親友清水義一さんのお二人が並ぶと実に静かだったことを憶います。南無阿弥陀仏。

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