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コラム・法語
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報恩講 - 「利根なる・・」

2023.10.27

新型コロナもやっと落ち着いて、報恩講が到来しました。地方によって、また寺によって、独自の雰囲気があるものです。インフルエンザの流行もあってか、参詣者の大半がマスクを着用されている寺もあり、また「熊出没の恐れがあるから、初夜(夜座・御伝鈔拝読)は取りやめ」との話も聞きました。

そんな中、石川県小松市内の某寺で既に西帰されたご親族の歌を刻んだ石碑に遇いました。

利根(りこん)なる/ちえもむなしき/法(のり)のみち/おろかになりて/まこといただく  きた女

※利根= 賢いこと ⇔鈍根



このたどたどしい筆運び。飾り気を排したまっすぐで素朴な言葉。微塵の力みもありません。真逆な自分が照らされると同時に、「愚者になりて往生す」を目の当たりにした感銘が湧きました。

鈴木大拙居士が『日本的霊性』(「霊性」とはいわゆる霊魂・ゴーストではなく「霊性は無分別智」「精神の奥に潜在しているはたらき」)と名づけたのは、こういう歌を生み出し育む大地を指すのでしょう。

「天は遠い、地は近い。大地はどうしても、母である。愛の大地である」
「大地はまた急がぬ・・(略)・・まいた種はその時節が来ないと芽を出さぬ、葉を出さぬ、枝を張らぬ、花を咲かぬ、したがって実を結ばぬ」(『日本的霊性』)

日本は広いとつくづく感じます。暖かいままに親鸞聖人のご祥月、11月も間近です。南無阿弥陀仏








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