泉南鸞音会「たすからんとたすかるんやわね」
2021.11.13
曽我量深先生から聞きぬかれた小山貞子さんという念仏者がおられました。前住職がご縁を賜わった底抜けの老媼でした。出るに任せる=出任せの金言は、冊子や日めくりカレンダーにもなっていますから、ご覧になった方もおられましょう。(カレンダーは1部1000円で頒布しています。メールまたは電話にてご注文ください)私は前住西帰後に、4,5回お会いしたご縁でしたが、最期のご縁は愛知県西方寺の「浜風臘扇忌」でした。親さま育ちの妙好人然とした方でした。
和歌山に近い大阪府泉南市に暮らす子息小山広明氏が「家報恩講を勤めるので来てくれ-」とのことでお参りしてきました。 実妹の山梨の金丸悦子氏も遠路駆けつけてくださいました。
近所の方は誰も来なかったおかげで、13時に到着して23時過ぎまで、小山氏・金丸氏と3人で色々と語り合いました。時に激論も。
何のプログラムもなし。法話もせず。マイクもなし。Zoomもなし。
自宅で短いお勤めをし、20分ほど離れた広明氏の店(喫茶店)に移動する途中で、かつて貞子さんがお参りしていた本願寺派の寺に立ち寄り、その後に店にて延々と語り合ったのでした。
広明氏から武生浄秀寺様(越前鸞音会:らんのんかいは曽我先生のご法名に因んだ命名)の松原現筌(げんせん)師の仰せを聞きました。(小山貞子さんは、福井から転居後も大阪から浄秀寺様に毎月通う聞法生活を送っておられました。)
「たすからんとたすかるんやわね」。・・思わず唸りました。浄土真宗がこの一言に凝縮されています。これひとつです。
松原先生は曽我先生に師事し、窮乏期には質入れし金を工面して、曽我先生を迎え続けたそうです。寺としての分を超えて、いつでも最上のしつらえでお迎えされたとのこと。そして曽我先生のご法話を敬遠し足が遠のく門徒も多い中、松原先生は、どこまでも自らの会座として開いておられたと聞きます。
松原師、尊し、松原師を生んだ曽我師、尊し。
一人の繁盛の他に仏法繁盛無し。南無阿弥陀仏