【年頭挨拶】2024年を迎えました
2024.01.01
新しい年を迎えました。
元日は当山前住職(釋頑愚・百々海怜・どどみさとし・満69歳にて02年元日西帰)の命日でもあり、今年は23回忌を迎えます。
寺とは縁を断って企業に勤めていた私が、寺に戻ることを考えざるを得なくなった原点が元日です。そして04年夏に退職、05年春に教師補任・住職就任となりました。その間、代務住職を務めてくださった蓮光寺本多住職と初めてお会いしたのは、遺体を安置した元日の本堂でした。
前住急逝の3カ月余り前、01年911テロがその後の世界の潮流を決めたように、2020年以降の新型コロナのパンデミック、22年2月24日に激化したロシアのウクライナ侵攻、23年10月7日のパレスチナ「ハマス」によるイスラエル急襲に始まる戦闘は、いずれも世界史に刻まれる大事件です。
『歎異抄』の名高い一節、「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みなもって、そらごとたわごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておわします」(『真宗聖典』640頁~)は、聖徳太子の御遺教「世間虚仮 唯仏是真」とピタッと重なります。この「世間」とは「世の中が悪い」「政権与党がダメすぎる」といった、自分抜きの話ではありません。
「器」(時代環境=世の中 ※食器)と「衆生」(時代を構成する主体=私 ※料理)は不離一体、と見通す如来語としての「世間」です。
仏法聴聞によって、ともすれば「世間軽視」に傾きやすい私に、聖人の「世のいのり」の一語は念仏者としての生活態度を教えてくださいます。
本年も共に聞思を。南無阿弥陀仏