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〈開催報告〉6月18日(日)臘扇忌

2023.06.18

明治三十六年の/六月六日朝一時/血を吐きながら念仏を/称(とな)うひまなく逝(ゆ)きませり 『清澤満之先生讃仰』暁烏敏師讃詠
島﨑暁民師(石川県称佛寺住職・昭和5年生まれ) 左は拙寺衆徒 勝見(かつみ)喜巳博法兄(石川県白山市在住) 

盆と正月が一緒に来たような、とはいいますが、聖徳太子1400回忌と清澤満之先生121回忌が一緒に到来した、今年の「臘扇忌」でした。

法要は14時からでした。92歳の島﨑先生は石川県のご自坊からのZoom出講でしたから、配信担当の勝見法兄(加賀福祉会理事長)と13時過ぎからリハーサルを始めました。音声テストの為に、マスク姿でカメラの前に座られた島﨑先生は、挨拶の言葉もなく、モニターの私に向かって語り始めました。テストでなく、本番でした。40分ほどご法話は続き、開会5分前に一旦休止をお伝えしたのですが、釈尊・聖徳太子・親鸞聖人・清澤満之先生を貫く本願力が先生を貫いていることを目の当たりにしました。「依憑」とは、とりつかれること、乗っ取られること。それが主体の転換です。
かつて埼玉で大峯顕先生のご法話を拝聴した際に、冒頭で「大峯が話すのではないんです。如来が話すんです」と喝破されたことと重なります。

浄土真宗は一宗一派、つまりセクトを超えているのだ、と聞きますが、その一点を探り当てる姿勢で貫かれているご法話でした。
モニターに映る島﨑先生は「光顔巍巍」であり、 講題は「やわらぎをもって たっとしとなす―日本国帰命聖徳太子」、ご法話のキーワードは「和(やわらぎ=柔軟心)」、「公(おおやけ )」と聞きました。

釈尊「スッタニパータ」、『十七条憲法』、清澤満之『有限無限録』「公の為にせよ」、『言志四録』等々の教言が自らに消化されきって、縦横無尽に飛び出てきます。
法隆寺所蔵の救世観音の写真を昨夜あらためて拝した先生は、「救世観音の深い苦悩を見た」とおっしゃいました。観音の苦悩など、考えたこともなかった私には驚きでした。
そして聖徳太子は「孤独であった。誰も周りにおらん。みんな背中を向けているんだ」とも。さらに親鸞聖人の「ひとえに親鸞一人がためなりけり」の「一人」とは、「人類すべての苦悩を担ったことであり、絶対に救いはないということだ」と語られました。圧巻でした。

本堂18名・Zoom最多26名の参詣でした。夏風邪、胃腸炎などが流行っており、3名から欠席の連絡がありました。マスク生活後の反動なのでしょうか。画像は休憩時間ですが、天井扇を回し窓を開けて換気しました。
画像右手に大型モニターがあり、参詣者はそちらを見つめています。私はPCモニターで視聴しているのですが、法話が進むたびに参詣者のお顔が変わってくるのが見えるのです。誰もがご法座でしか見せない、イイ顔になるのは不思議です。


先生のご法話には、前置きや説明は一切ありません。全篇が実験であり、法話自体が実験です。今日は法話の冒頭に、「私が聴聞させていただく・・云々」とサラリと仰っていました。因みにこの輪袈裟は、暁烏敏先生の形見です。

事前に送ってきた法話レジュメ(手書きの原稿用紙)は47頁、全員に配布しました。先生自身も「どうなるかわからんから、レジュメでなく「法話原稿」として皆さんに渡した方がいいかな・・」と言っておられたのですから、ご体調に自信がなかったのかもしれません。ですがマイクテスト段階、つまり開会前に40分ほど話され、法話は2席90分ほど、と正味2時間以上のご讃嘆でした。
先生をして真理を求めさせ、先生をして説法獅子吼させるはたらきを浄土の大菩提心と名づけ、また本願力と讃嘆するのでしょう。

「唯除についてはまだわかりませんなぁ・・読み切ったとはとても言えん」とも言われたのですが、終わりがない世界を身証くださった一言でした。結論から解放された人物特有の清々しさでもあります。

ご法話が終わると同時に堂内に念仏の声が湧きあがり、 深い感銘と静かな熱気漂う中に明年のお待ち受けが始まりました。南無阿弥陀仏

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